前回に引き続き、本日は眼瞼下垂の治療についてのお話です。
まず年齢によって皮膚がたるんで眼瞼下垂になっている場合ですが、手術によって余った皮膚を適度に切除することで治すことができます。手術は15分程度と短時間ですし、通常、傷は皮膚のしわに沿うようにデザインして切開しますので手術後に傷が目立つようなことはほとんどありません。ただ手術の直後は内出血や腫れが多少出ますので、見た目が気になる場合はサングラスなどで隠した方がいいでしょう。
次に眼瞼挙筋の機能低下が原因の場合ですが、基本的には眼瞼挙筋を短縮することによって筋力を強める手術を行います。(眼瞼挙筋の機能低下があまりに著しい場合には別の手術法を行うこともあります。)この手術でも皮膚のしわに沿って切開しますので傷は綺麗に治りますが、手術は単純に皮膚を切除するだけの手術よりは時間がかかります。眼瞼挙筋は瞼板と呼ばれる組織に付着しており、そこから一旦筋肉を外し、さらに筋肉を縫い縮めることによって筋力を強めてあげることで瞼をうまくあげることができます。
しかしながら、瞼をあげると言っても厳密に理想的な目の大きさになるかというと、必ずしもそうではありません。手術中は出来るだけ自然で丁度いい目の大きさになるように微調整をするのですが、実際には瞼の皮膚の厚み、元々の筋力の違いなど個人差もありますので、仕上がり具合も理想通りとまではゆかないかもしれません。私は普段から可能な限り綺麗に手術しようといつも心掛けていますが、時には再手術によって修正を必要とすることもあります。
しかしながら、眼瞼下垂の手術はおおむね満足ゆくことが多いですし、失明するなどの危険性もまずございません。歳のせいだから仕方ない…と諦めておられる方も時々いますので、興味があれば一度来院されてはいかがでしょうか。